2024年度共通テスト所感

みなさん、共通テストお疲れさまでした。力が発揮できた人、不完全燃焼だった人、様々かと思います。ただ大事なのは、入試はまだまだ始まったばかりだということ。力が発揮できた人、油断してはいけません。不完全燃焼だった人、諦めてはいけません。とにかく切り替えが大切です。特に不完全燃焼だった人、サッカーでも野球でも、大逆転のドラマって面白いと思いませんか?? そのドラマの主人公になったと思ってください。今が苦しければ苦しいほど、最高のエンディングが待っているかもしれませんよ。引き続き、頑張りましょうね!

以下、所感を述べさせていただきます。

総評

まず今年度の共通テストの所感を述べるにあたり確認しておきたいのは、来年度より実用文の出題が予定されているということです。実用文では表やグラフが用いられるため、解答がより客観的・実証的に決まります。となるとおそらく「傍線部の言い換えは△△行目の□□」といった分析的・照応的な設問は実用文へと移行し、評論や小説では、段落の趣旨を問う問題であったり、表現や構成を問う問題であったりと、出題の幅が広がることが予想されます。また実用文を現代文の一範疇と考えますと、今後、現代文の読解力の重要性はますます高まることが予想されます。そんな新時代の国語の息吹ともいうべき問題が、今年度の共通テストでした。

評論

本試験において構成・展開が問われたのは2020年度以来でした。問2~問4も傍線付近との対応で解答するのではなく、傍線を含む段落、または段落相互の関係を視野に入れて解く問題でした。これからの国語は、細部の分析よりも総括する力が要求されるでしょう。そしてそのうえで、いかに探究できるか、これが肝要です。問6の(ⅲ)のように問題文の内容を踏まえ鑑賞のあり方を探究する文章について、結論の方針を考える問題は、文科省による探求への意識づけに他なりません。文章とは読んで内容を理解してそれで終わり、なのではなく、新たに思考を深めるためのきっかけなのだ。そんなメッセージが読み取れる出題であったように思います。

小説

昨年の本試験では出題されなかった語句問題が、2年振りに出題されました。ただ特筆すべきは語句問題の復活自体ではなく、「やにわに」の出題でしょう。2020年の指導要領の改訂で「現代文」は「論理国語」と「文学国語」の選択になり、高校生は近代文学を読まなくなるのではとの指摘もありましたが、「やにわに」は芥川や太宰といった近代文学に触れなければまず出会わない言葉です。これをどう受け止めるべきか。来年度より実用文の出題が予定されていますが、その一方で、古式ゆかしい日本語の教養も大切にしなければならないということでしょう。表現問題が4年振りに出題されたことも考えあわせますと、国語への幅広い知見が今後求められるでしょう。

古文

現代文の解説をもとに古文の内容を考える、いわゆる現古融合問題の出題が新傾向といえば新傾向ですが、複数テクストの読解自体は過去問演習で慣れていると思うので、さほど衝撃ではなかったと思います。むしろ問一が基本単語の意味を「知っていれば」解答可能な問題であったことが驚きです。思考力・探究力を謳う新時代の国語にあって、暗記で解ける問題の出題は入試センターのやさしさ??でしょうか。また文法の表現効果や和歌修辞に関する設問は引き続き出題されました。いずれにしても、細かな知識はもはや要求されていないことは明々白々です。基本的な知識を意図や目的にまで深めて理解することが今後重要になってきます。

漢文

問一は漢詩の形式を問う問題で、問二は語句の意味を問う問題でした。問三では漢文の構造が問われ、問四以降は内容理解を問う問題でした。驚きなのは、句形を問う問題が一題もなかったということです。古文の所感でも述べましたが、どうやら古文漢文については、あくまでも各単元における基本的な知識を確実に、深く理解することが重要なのであって、細かな知識は求められていないのでしょう。だからこそ今後は、句形についての細かな知識があまり問われなくなる一方、漢文の基本的構造への理解を問う問題が増えていくのではと考えられます。いずれにせよ古文・漢文ともに、「基本的知識への深い理解」が今後、共通のテーマになると思われます。

さて、国語専門塾リードは、英語専門塾セプト、数学専門塾数ラボとともに、2月4日(日)に「共通テスト分析・やる気アップセミナー」を実施する予定です。上記所感を抱いた高倉が、対面形式で、直接みなさんに、共通テストの総括と、今後の学習の方針について所見を述べさせていただきます。このセミナーに来れば、今年一年間の学習の指針が立つことは間違いなしです。みなさま、是非とも奮ってご参加くださいね!

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