共通テスト所感
みなさん、共通テストお疲れさまでした。
力を発揮できた人、そうでない人、様々かと思いますが、まだまだ入試は始まったばかりです。最後に笑えるように、今を、明日を、頑張っていきましょうね!
以下、所感を述べさせて頂きます。参考になさってください。
総評
実用的文章の出題により大問が1つ増えましたが、選択肢は従来の5択から4択となり、複数テキストを照合する問題も減少したため、時間的な厳しさは緩和されたかと思います。評論の展開が掴みにくく、実用文の推敲問題(問3ⅱ)と漢文の訓読問題(問4)が解きにくくはありましたが、総じて取り組みやすい試験だったかと思われます。だからこそ、来年度に向けて油断は禁物です。難化した時にこそ高得点を取れるよう、適切なトレーニングを積んでいきましょう。
論理的文章
共通テストではいわゆる二項対立型の文章は出題されない傾向にありますが、今年度も同様でした。過去問演習を通して、対比のみならず、一般化や並列といった論理展開を敏感に察知する力を養うことが高得点の鍵となるでしょう。
文学的文章
語句問題や複数の題材による問題は消滅し、心情や表現把握を問うシンプルな出題でした。過去問演習を通して、心情の把握の仕方、表現分析の仕方について適切に学ぶことが高得点のために必要となるでしょう。
実用的文章
論理的文章、文学的文章において複数の題材による問題が消滅したことをふまえると、「探究」「対話」「多角的アプローチ」といった新しい学びについての到達度は、今後実用文で問われるようになるかもしれません。問3(ⅱ)のような適切な加筆修正を設問がその典型だと思います。ただ設問の解答そのものは文章や資料の照合作業によってはっきりと決まります。実用文の対策としては、咀嚼や状況喚起といった従来の読解力とは異質の、処理速度の向上が鍵となるでしょう。
古文
去年に比べるとずいぶんと話が読み易かったように思います。しかも問3の生徒の会話からもある程度内容が推測できてしまいます。古文はとにかく単語文法を固め、訳出と添削を繰り返し、過去問演習を重ねることが最も効果的な学習となります。
漢文
問4が難しく感じた受験生もいたかもしれません。ただ、訓読問題とはいえ解答は最終的には意味で決まります。傍線だけではなく前後との意味のつながりも確認しましょう。漢文は句型と単語を固めつつ、しっかり「訳す」というところまで意識して学習に取り組むことが大切です。
冒頭でも述べましたが、力を発揮しきれなかった人は、まだまだこれからですよ!
「柳暗花明」という言葉があります。柳が生い茂っていて暗いけど、その先には花が明るく咲き誇る美しい景色が待っているように、今がつらくても、その先にかなず喜ばしい未来があるという言葉です。
桜の季節までもう少し、最後までがんばれ!
国語専門塾リード 高倉啓輔