読書ブログ①『アイロニーはなぜ伝わるのか』

こんにちは。

今回は、私がふだん読んでいる本のなかから1冊を取り上げ、内容や魅力についてご紹介したいと思います。

今回は『アイロニーはなぜ伝わるのか?』 木原義彦 光文社新書 のご紹介です。

アイロニーがなぜアイロニーとして解釈されうるのかについて、「こだま理論」「ほのめかし理論」「偽装理論」などの理論を紹介し、著者は「メンタルスペース理論」を提唱しています。

理論の内容もさることながら、高倉が面白いと思ったのは「逆アイロニー」なるものが存在するということ。アイロニーというのは「ほめる表現で批判する言葉」ですが、「逆アイロニー」とはまさにその逆で「批判する表現でほめる言葉」を指します。

本書にはこういった例が示されています。

夫は外回りの仕事をさぼって妻の誕生日の贈り物を探し、帰宅して妻にプレゼントを渡す。妻が言う。「悪い子ね」

この「悪い子ね」が逆アイロニーです。妻は、言葉ではけなしつつ、一生懸命プレゼントを探してくれた夫をほめているわけです。

ただ注意すべきは、この逆アイロニー、声色やしぐさなどのサインを活用して、遠回しにほめていることが分かるように伝えないと、単なる批判になってしまうということです。これは通常のアイロニーでも同じことです。けなしているはずが、単なるほめ言葉として伝わってしまったら、アイロニーではないですよね。

つまりアイロニーとは、メッセージの伝達とって重要なのは、言葉よりむしろ言葉以外の要素だということを示す表現なんですね。

『アイロニーはなぜ伝わるのか?』 特にコミュニケーションに興味がある方、是非一度お手に取ってみてくださいね。

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